治療の流れ
インプラントを始める前に
インプラント治療は、むし歯のように歯科医院に行けばすぐに治療してもらえる、というわけではありません。
治療をはじめる前に、残っている歯の歯周病などの病気を治療しておく必要があります。
また、外科手術を伴うため、重い糖尿病や肝臓疾患などの症状がある場合は、治療を見合わせることもあります。
安全に治療を成功させるために、治療前に1~2回ご来院頂き、次のような診査を行います。
- 問診
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- 全身疾患の有無
- 喫煙の有無、量
- 局所的な問題(歯ぎしり、その他の咬合習癖など)の有無
- 審美的要求度
- 経済的、時間的制約など
- 視診・触診
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- あごの骨が極端に減っていないか
- 残存歯の歯周病がコントロールされているか
- 相対する歯との噛み合わせなど
- 骨の量の確認
- レントゲン
- 歯科用CTを使用することもあります
- 歯・歯列模型分析、口腔内写真
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- 欠損部位の確認
- 残存歯の状況
- 噛み合わせ
インプラント手術方法
手術は外科手術が1回だけで済む1回法と、外科手術を2回に分けて行う2回法の2通りがあります。
1回法
あごの骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、義歯の支えとなるねじをインプラント体の上に入れます。外科手術は1回で済みますが、埋入時に歯肉を貫通してねじが頭だしをしているせいで、インプラント体が骨に確実に固定されるまでに、細菌感染や、力がかかってしまう危険性があります。
2回法
1回目の手術で人工歯根を埋め込み、歯肉を縫い合わせます。インプラント体が骨に確実に固定されるまで、上顎は3~6か月、下顎は2~4か月待ちます。
2回目の手術で再び歯肉を切り開き、義歯の支えとなるねじをインプラント体の上に入れます。現在は2回法で手術する場合が多くなります。
通院期間
治療期間は、人工歯根を埋め込む骨の硬さや量などの状態や、場所(上あご・下あご、前歯・奥歯)によって異なりますが、通常、月に2~3回の通院で半年から1年以上かかります。
治療概要 | 治療詳細 | 期間・来院回数 |
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インプラント埋入前処置 | ・口腔内の清掃の徹底 ・残存歯の治療(歯周病、むし歯の治療、噛み合わせの治療など) ・骨の再生手術(上顎洞底挙上術、顎提増大術など) 人工歯根の埋入と同時に行なうこともある | 来院回数4~5回 (骨の再生が必要な場合はそれ以上) |
一次手術(人工歯根の埋入手術) | 1.歯がないところには歯槽骨の上に歯肉がかぶさっているので、歯肉を切り開く。 2.あごの骨に、ドリルで人工歯根を埋め込むための穴を開ける。 3.人工歯根を埋め込む 4.歯肉を縫い合わせ、歯槽骨に人工歯根がなじむように、下あごは2~4ヶ月、上あごは3~6ヶ月おく。 | 来院回数1回 |
二次手術(頭出し手術) | 1. 再び歯肉を切り開く。 2. 義歯の支えとなるねじを、人工歯根の上に入れる。 歯肉移植手術 | 1回 |
仮歯装着・修正 | ・仮歯装着 ねじの上に、義歯をのせる ・仮歯の修正 | 2ヶ月 |
上部構造製作 | 印象採得(型どり) 咬合採得(噛み合わせの記録) 試適 装着 | 約1週間 1~2週間 約1週間 |
メンテナンス | メンテナンス | 1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 |